ジェイムズ・ブッカー　James Booker

米国の歌手/ピアニストで、1939年11月17日にルイジアナ州ニューオーリンズで生まれました。ミシシッピー州の湾岸地帯で育ち、バプティスト教会の牧師だった父親の教会で、オルガンを弾き始めました。10代の頃にニューオーリンズへ戻ると、11歳でゴスペルを流すラジオ局WMRYで自身の番組枠を持ち、ピアノを演奏するようになりました。14歳の時に、デイヴ・バーソロミューの目に留まり、リトル・ブッカーの名でインペリアル・レコードで初録音しました。同レーベルでスタジオ・ミュージシャンとして活動し、ファッツ・ドミノやアール・キングらの録音で伴奏しました。1961年に自己名義で録音した器楽曲「Gonzo」が、ニューオーリンズ一帯で小ヒットになりました。1950年代から60年代にかけては、セッション・ミュージシャンとして活躍し、ウィルソン・ピケット、B.B.キング、ロイド・プライス、シャーリー&リー、エイモス・ミルバーン、ジュニア・パーカー、リトル・リチャードなど多くのアーティストを伴奏しました。1967年にヘロインの不法所持で有罪となり、1年間服役し、出所した後もすぐに活動を再開し、1968年にファッツ・ドミノの「Fats Is Back」に参加しています。1970年にはソロ活動が増え、1973年に、後に『The Lost Paramount Tapes』として発売されることになるアルバムを録音しました。1976年には、ニューオーリンズにあるシーセイント・スタジオでアルバム「Junco Partner」の録音を行いました。一方でクラブなどでのライヴにも積極的に出演し、1977年にはヨーロッパにも出掛けました。しかし、この頃からアルコールと麻薬に溺れ、精神を患っていきました。奇行が目立ち、演奏の落差もひどくなり、1982年のアルバム「Classified」の録音直前に倒れて入院する羽目となりました。奇跡的に完成したアルバムは、生前の最後の作品となってしまいました。コカインの過剰摂取により、1983年11月8日に倒れ、運び込まれたニューオーリンズのチャリティー病院で死去しました。43歳のことです。