ニック・ドレイク　Nick Drake

本名はニコラス・ロドニー・ドレイクです。1948年6月19日、ビルマ（現在のミャンマー）で生まれました。父は国営材木場の管理者で、母は自らも歌う素人作曲家でした。2歳の時に英国に戻り、母の影響を受けてピアノやクラリネットを学び、音楽に入り込むようになりました。大学に在籍中にフェアポート・コンヴェンションのアシュレー・ハッチングスに見出されて、アイランド・レコードと契約しました。初アルバムは1969年の「Five Leaves Left」ですが、商業的にはまったくの不調でした。ロンドンに引越し、1970年に制作した二作目「Bryter Layter」も売れ行きはさっぱりでした。ニックは失意し、大学へ入った頃に患った躁鬱病がぶり返し、実家に戻って療養生活を送りました。最後のアルバムとなった三作目は、インスピレーションに導かれ、全12曲をわずか二晩で録音し、1972年に「Pink Moon」として発売されましたが、これも商業的な成功はしませんでした。その後、ニックの病状はさらに悪化し、5週間ほど入院生活を送りました。希望を見い出そうと、新しいアルバムのため、1974年には5曲を何とか録音しましたが、数ヶ月後の1974年11月25日、母親は寝台の上で死去している彼の姿を発見しました。享年26歳でした。