音楽論 Critique

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Samuel B. Charters[著]

戦前に録音されたブルース・アーティストに関しての書です。

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Charles Keil[著]

戦後に録音されたブルース・アーティストに関しての書です。

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Paul Oliver[著]

65人に及ぶブルース・アーティストへの取材をまとめた書です。写真も豊富に使われています。

ブルース・ピープル-白いアメリカ、黒い音楽 (平凡社ライブラリー)
平凡社ライブラリー
リロイ・ジョーンズ(アミリ・バラカ)[著]
飯野友幸[訳]
下記と同じ内容ですが、2011年に発行されたものです。
ブルースの魂―白いアメリカの黒い音楽 (1965年)
音楽之友社
リロイ・ジョーンズ[著]
上林澄雄[訳]
上段と同じ内容ですが、日本で初めて訳された時のものです。
ブルース 改装版―複製時代のフォークロア
法政大学出版局
湯川新[著]

ブルースの誕生からロックに至るまでの道筋を、複製メディアの発展と普及過程に求めています。ブルースからロックへと橋渡しをした人物として、チャック・ベリーを大きく取り上げ、歌詞や旋律の面から分析することでブルースの解体と再生を論じています。

NHKブックス(1071) ロックを生んだアメリカ南部 ルーツミュージックの文化的背景 (NHKブックス)
日本放送出版協会
村田 薫、ジェームズ・M.バーダマン[共著]

アメリカン・ロックの源流に迫る日米二人の共著による文化論です。
アメリカで生まれ育ったロックには、南部の民衆音楽の歴史が刻まれています。綿花農園で過酷な搾取に耐えて働いていた黒人の唄、有色クレオールや黒人が生んだラグタイムやジャズ、アパラチアの山中で歌われたバラッド、苦しく辛い日々を慰めた宗教音楽、これらが集約されて焦点を結び、エルビス・プレスリーに代表される強烈な磁場を持つロックが生まれたとしています。

※バーダマンは1904年から1908年にミシシッピ―州知事だったジェームス・キンブル・バーダマンの曾孫にあたる人物です。バーダマン知事は黒人を苦しめた人物として有名です。

「アメリカ音楽」の誕生―社会・文化の変容の中で
河出書房新社
奥田惠二[著]

アメリカ音楽の成立を写真や楽譜などの図版を交えてたどる一冊です。
著者が高く評価する日曜作曲家チャールズ・アイヴス(1874-1954)が詳しく説明されています。

ジャズ・レコード全歴史
昌文社
ブライアン・プリーストリー[著]
後藤誠[訳]

原題は「Jazz on Record A History」です。内容は本の記述を借りると『ジャズの録音史全体の大きな流れについて言及したものである』ということになります。ジャズの歴史的名盤を紹介したものではなく、ジャズのレコードを吹き込み流通させるために制作現場に去来したミュージシャン、尽力したプロデューサー達について裏面史を交えて解説しています。

音律と音階の科学―ドレミ…はどのようにして生まれたか (ブルーバックス 1567)
講談社
小方厚[著]

原子物理学の専門家によるドレミの解明です。無限にある音の高さから、どうしてドレミの音が選択され現在のような平均律という形になったのか?
音楽と数学との意外で濃密な関係には興味を惹かれます。

響きの考古学 増補―音律の世界史からの冒険 (平凡社ライブラリー ふ 20-1)
平凡社
藤枝守[著]

現代音楽の先端で仕事を続ける作曲家による音楽理論です。作者が語る動機を引用すると、「古来からの音律を知り、過去の人たちがどのように音を聞きとり、響きを感じていたのかを想像しながら、自分自身の音楽の行方を探ってみようと思った」。つまり音律を中心課題として自身の作曲理論の根拠を探っています。
後書きを人類学者の中沢新一氏が書いています。

ピアニストが見たピアニスト
白水社
青柳いづみこ

世界の名ピアニスト達6人の簡易的な評伝です。登場人物はクラシック界のスピャトラフ・リヒテル、ベネディッティ=ミケランジェリ、マルタ・アルゲリッチ、サムソン・フランソワ、ピエール・バルビゼ、エリック・ハンドシェックです。
同業者としての演奏経験を活かして、ピアニスト達の世界観(心理的な劇)にまで踏み込んで記述しています。

音楽のたのしみ(1) 音楽とは何だろう (白水uブックス 1094)
白水社
吉田秀和[翻訳]

原題は「Plaisir de la Musique」です。音楽学者にして作曲家のロラン=マニュエルが、若き女性ピアニスト、ナディア・タグリーマを先導役にした対話集です。1950年代にフランスのラジオで毎週日曜日の午前11時から放送した番組を元にして書かれていて、音楽の基礎的な知識から西洋音楽の歴史、オペラなどについて対話形式で分かり易く解説しています。それにしても、ナディアは知的で魅力的な挑戦者です。

現代音楽キーワード事典
春秋社
デヴィッド・コープ(David Cope)[著]
石田一志、三橋圭介、清原睦、瀬尾史穂[訳]

原題は「New Directions in Music」です。作者は、さまざまな音楽様式で作品を生み出すことの出来るソフトウェアEMI”Experiments in Musical Intelligence”の制作者として知られています。書物から引用すると『本書の目的は、1940年以降のアヴァンギャルドの歴史、哲学、作曲家、作品を隈なく探求することにある。』となります。

黒人霊歌は生きている―歌詞で読むアメリカ
岩波書店
ウェルズ恵子[著]

この書物の方法論を引用しておくと
『ある時期の傾向を代表していると思われる人物を複数取り上げて、歌が影響してその人々の中に動いたもの(黒人霊歌にどんな情熱を抱いたか)と、その人々によって動いた歌(黒人霊歌をどう変えて世の中に提示したか)とを、向かい合わせるように書いてみた。歌はいつだって、社会を多面的に写す合わせ鏡だから。』

チャーリー・パーカーの技法――インプロヴィゼーションの構造分析
岩波書店
濱瀬元彦

チャーリー・パーカーが創り上げたビバップの技法を、アヴェイラブル・ノート・スケールではなく、コード・トーンとそれ以外の音との関係で説明しています。