ディオン　Dion

ディオンことディオン・フランシス・ディムッチ( Dion Francis DiMucci )は、1939年7月18日にニューヨーク州ブロンクスで生まれた自作自演歌手です。父親は歌手、母親は役者をしていたイタリア系家に育ち、5歳から歌い始めました。子供の頃は、ヴォードヴィルの芸人だった父親に連れられて巡業していました。彼の唱法はブロンクスの街頭やクラブで鍛えられ、彼は自身の音楽をブロンクス・ブルースと呼んでいて、R&Bにドゥワップ、それとハンク・ウィリアムズから受けた影響を混合しています。プロとしての活動は、1954年の15歳の時にフィラデルフィアのポール・ホワイトマンのTV番組”テーン・クラブ”に出演したのが最初です。1957年にモホーク・レーベル( Mohawk Records )のオーディションを受けて、ティンバーレインズ( The Timberlanes )というグループ名で初シングル「The Chosen Few」を録音し、地元でヒットさせました。次に友人達と作ったバンド、ベルモンツ( The Belmonts )でリード歌手を務め、発足したばかりのローリーというレーベルと契約し、1958年「I Wonder Why」、同年「No One Knows」、同年「Don't Pity Me」などを連続ヒットさせ、1959年「A Teenager in Love」が世界的なヒットになりました。続いて1960年「Where or When」、同年「When You Wish Upon a Star」などのヒットを飛ばしました。1960年後半にはソロに転じ、1960年「Lonely Teenager」、1961年「Runaround Sue」（全米1位）、1961年「The Wanderer」、1962年「Lovers Who Wander」などのヒットを出しました。1962年の終わりにはCBSに移籍し、1962年「Ruby Baby」（全米2位）、1961年「Donna the Prima Donna」、1963年「This Little Girl」、同年「Drip Drop」などがヒットしました。しかし、1964年、1965年は麻薬中毒のリハビリに努めながら「I’m Your Hoochie Coochie Man」、「Johnny B. Goode」などの出来映えの良いR&B曲を出しましたが、ヒットにはなりませんでした。1967年には再びベルモンツと組み、ABCからシングル盤2枚とアルバム1枚を発表しましたが、成功しませんでした。しかし、1968年にローリーから発売された「Abraham, Martin and John」（全米2位）がヒットになりました。1970年にワーナー・ブラザーズに移籍してからは、自作自演歌手としてのアルバム作りを行っています。1989年にはアリスタに移籍しています。